愛猫介護日記(その7)~愛猫が亡くなった日

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点滴も薬も受け付けないように

筆者の愛猫・ベンジャミンは、その後だんだんと食欲が落ち、固形物が食べられなくなっていきました。
また横になって過ごす時間が増えたため、寝たままでペースト状のおやつや流動食を食べさせ、水をスポイトで飲ませるようになりました。

ある晩、やせ細ったベンジャミンにいつものように点滴を始めると、ベンジャミンが咳き込むようなくしゃみをするような、苦しそうな様子を見せました。
いつもはスムーズにできていた点滴も、この日はうまく入っていきません。

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「もしかしたら、食事ができないのに点滴だけ打たれることが身体の負担になって苦しいのかもしれない…」
そう思った筆者は、翌朝かかりつけの獣医師に相談して指示を仰ぎ、点滴の量を減らすことにしました。

この頃になると、発作止めや下剤などの飲み薬を飲ませることも難しくなっていたため、飼い主としてできることは体温低下を防ぐために毛布などをかけ、定期的にスポイトで水を飲ませ、そしてオムツを交換してあげることしかありませんでした。

ベンジャミンが歩いた!?

いよいよ、愛猫とのお別れの日が近いのかも知れない…。
そんな悲しい気持ちでいっぱいになっていたある日、ベンジャミンは小さな奇跡を起こしてくれました。

寝たきりになっていたベンジャミンが、なんと起き上がり、オムツを着けたままよろよろしながらも後ろ足を立てて廊下を歩いたのです。

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廊下の端から端まで歩いて移動したベンジャミンは、立ち止まって座ると画像のように筆者の方へ振り返り
「どう?ボクまだ歩けるんだよ!」
とでも言いたげな「ドヤ顔」を決め込みました。

元気だった頃にベンジャミンが散々見せつけてくれた、あのドヤ顔でした。

「まだそれだけ元気があるんだね。まだ大丈夫だね!」
そう思った筆者でしたが、愛猫が歩く姿を見たのは、これが最後となりました。

一説には、猫は死期が近付くと、飼い主の前で元気だった頃のように振る舞い、回復したかのように見せることがあるといいます。
それを見た多くの飼い主は、筆者と同じように愛猫の回復を喜びますが、それからほどなくして亡くなってしまうことも多いのだとか。

ベンジャミンも、筆者が彼の容態をいつも心配していたことを感じ取り、筆者を喜ばせ安心させようと最後の力を振り絞ってくれたのかも知れません。

愛猫の死

2021年5月に入ると、ベンジャミンは次第に食事だけでなく、水も飲まなくなっていきました。
なんとか栄養を摂らせるために、それまで水を飲ませるために使っていたスポイトで、流動食を水に溶かしたものを飲ませようとしましたが、ほんの少ししか飲むことができません。

体温が下がらないように毛布をかけ、頭や身体をさすると、
「ニャ~…」
と細く弱々しい声で鳴きました。

それでも夜は、それまでと同じように大好きな筆者の母の布団にペットシーツを敷き、母の隣で眠っていました。

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5月7日の深夜2時頃、仕事のために部屋で起きていた筆者に、母が声をかけました。

「ベンジャミンの身体が冷たい…」

急いで母の部屋に駆けつけ、横になっているベンジャミンの胸のあたりに耳を当てると、いつもなら聴診器などなくてもはっきり聞こえていた心臓の音が全く聞こえなくなっていました。
愛猫の身体に触ってみると、既に死後硬直が始まっていることも分かりました。

何度も大病を患ってきた筆者の愛猫・ベンジャミンでしたが、最期は全く苦しむことなく、母の布団で眠ったまま亡くなりました。
18歳4ヵ月の、大往生でした。

petofuku編集部

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