愛犬や愛猫の食事療法と、療法食を食べてもらう上手な方法
特別療法食とは?
私達人間と同じように、犬や猫も、病気の治療や体質改善のために、食事療法が必要になることがあります。
そういった目的のために、獣医師などの専門家の指示に従って与えるペットフードは、まとめて「特別療法食」と呼ばれています。
我が家の猫も2010年頃より尿路結石を患い、手術後は毎日「猫用下部尿路疾患」の専用の療法食を食べています。
それ以前も、腎機能障害の既往があったため、やはり獣医師の指示に従い療法食を食べていました。
特別療法食のほとんどは、一般の総合栄養食としてのフードと形状が同じで、栄養バランスなども同様となっています。
しかし、それぞれの病気に合わせた特別な組成も持ち合わせている点が、一般のペットフードとは異なっています。
食事管理をする上でのポイントは?
犬や猫が病気の時の食事管理は、それぞれの疾患や症状に合わせて行うことが鉄則です。
例えば肥満のペットの場合は、ただ食事の量を減らすだけではなく、満腹感が感じられて摂取カロリーが抑えられるように、食物繊維の多い食事を与えます。
我が家の猫のような尿路疾患の既往のある子は、尿のpHを正常値の範囲内に維持すると同時に、尿石の原因となる成分であるタンパク質やミネラルを抑えたフードを与えるようにします。
もちろん、ペットフード以外の人間の食事やおやつなどを与えないことと、食事の時に清潔で新鮮な水が一緒に飲めるようにしてあげることも、食事療法には大切です。
普通食から療法食へ切り替える時は?
いくら病気の治療や健康のために必要だとは言え、ある日突然普段のご飯から療法食に変えてしまうと、食べない子もいます。
我が家の猫は、普段と違う味や匂いのフードを「ご飯」として認識せず、目の前にご飯があるにもかかわらず「ご飯まだ?」のアピールをしてくることが何度もありました。
また、一度食べた新しいフードを全て吐いてしまったことも、1度や2度ではありませんでした。
動物は警戒心が強く、特に口に入る物に関しては慎重ですから、これは仕方のないことと言えるでしょう。
では、療法食への切り替えは、どのように行っていけば良いのでしょうか?
一番良いのは、今まで食べていたフードに新しいフードを混ぜ、徐々に切り替えていく方法です。
ただし、最初は今までのフード:新しいフード=9:1くらいと少なめに混ぜ、次の日くらいからは今までのフード:新しいフード=7:3くらいにし、10日間くらいかけて少しずつ、新しいフードを増やしていきます。
この時に、いきなり新しいフードを多く入れてしまうと、犬や猫はフードの変化にすぐに気付いてしまいます。
気長に、時間をかけて切り替えていくことが重要です。
もう1つの方法としては、今までのフードを入れた食器を新しいフード食器の隣に置き、新しいフードを食べてくれた場合には、徐々に今までのフードを減らして切り替えていくというやり方があります。
しかしこれは、よほど新しいフードが愛犬や愛猫の好みに合っていた場合でないと、上手くいく可能性は低いでしょう。
これらの方法を試しても、どうしても新しいフードを食べてくれない場合は、獣医師に相談してみましょう。
同じ病気や症状に対応した特別療養食でも、現在では複数のメーカーから発売されています。
複数のメーカーのサンプルを試して、愛犬や愛猫の好みに合う療法食を探してあげましょう。
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