三毛猫に多い病気やケガは?

ネコのケア

三毛猫の特徴と遺伝性疾患

身体的特徴

三毛猫はその名の通り、白、黒、茶などの3色の体毛を持つ猫です。
三毛猫のはっきりした3色模様は世界的にも珍しく、海外では高値で取引されることもあります。
遺伝上の関係から雌が圧倒的に多く、雄が産まれる確率は数万分の一です。
非常に賢いですが、マイペースの気分屋でプライドが高いといわれています(この性格は雌が大多数を占める故の特徴とも考えられます)。
なお三毛猫は猫の品種名ではなく、日本猫の柄を指した言葉です。

遺伝性疾患

遺伝子学では、理論上3色の毛を持つ三毛猫は雌しか生まれないことになっています。
しかし、クラインフェルター症候群とよばれる遺伝子異常が起こることで、ごくまれに雄の三毛猫が誕生することがあります。
この雄猫は遺伝子異常によって生まれた個体なので、生殖能力がありません※。
また、精巣がおなかや股に残ってしまう「陰睾丸」を発症しやすくなります。
陰睾丸は年を取ってから腫瘍化する危険性があります。
三毛猫の雄は希少価値が高いと思われるかもしれませんが、実はそれは遺伝子異常が原因なのです。
三毛猫の雄の健康管理には十分に注意してください。
※遺伝子の乗り換えなどで誕生した三毛猫の雄は生殖能力を持つこともあります。

飼育時に気をつけたいポイント

飼育時に気をつける事

プライドが高い三毛猫、信頼関係づくりは慎重に

三毛猫はとてもプライドが高い猫といわれています。
飼い主が思う通りに動かそうとすると、信頼関係が壊れてしまう可能性が高いです。
しつけを行う場合でも怒鳴ったり、無理強いすると逆に言うことを聞かなくなってしまうかもしれません。
三毛猫は賢いので、優しく教えてあげればすぐに自分のすべきことを理解できるはずです。
また、気分屋の三毛猫が距離を取ろうとしているときは無理に愛情を押し付けないことが大事です。
信頼関係があれば、甘えたいときは自分からそばに寄ってくるでしょう。

きれい好きだから、飼育環境は清潔に

三毛猫はきれい好きなので、飼育環境を清潔にするよう気を配りましょう。
気に入らない環境だと、日々の生活に支障が出てきます。
例えば食器が汚いと食事を拒んだり、トイレが汚いと別の場所で排泄してしまうことがあるので要注意です。

生活面での注意点

あきっぽい性格だから食事はバラエティに富んだものを

三毛猫の気分屋な側面は食事にも現れます。
いつも同じような食事を出していると、飽きてしまって食事をしなくなることがあるのです。
いくつかのキャットフードをローテーションで与えたり、缶詰で気分を変えたりしてバラエティに富んだ食事ができるような工夫をするとよいでしょう。

しっかり運動させてストレスを解消

身体能力が高い三毛猫は、運動不足になるとストレスをため込んでしまう可能性があります。
部屋の中で飼う場合は、キャットタワーや猫用おもちゃを使って体を十分に動かせる環境を作る工夫をしましょう。
飼い主から遊びを促してあげることも大事です。
高いところへの上り下りやジャンプなど、3次元の遊びを取り入れるとカロリーをたくさん消費できます。

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罹りやすい病気・ケガ・治療費用

三毛猫がかかりやすい病気の症状と治療費用をまとめました。
いざというときを考えて、治療費の準備をしておきましょう。
※三毛猫は品種名ではないため、一般的に猫がかかりやすい病気について記載しています。

病名 症状 治療と費用
猫汎白血球減少症 ・下痢
・嘔吐
・脱水症状
・(下痢の場合)投薬や輸液
約8000~9000円
・(予防)ワクチン費用
3種混合ワクチン

(猫汎白血球減少症
猫カリシウイルス感染症
猫ウイルス性鼻気管炎)で
約3000~5000円
・検査費
約500~2000円
・点耳薬
約2,000円
・切開手術
約10万円

尿石症 ・頻尿
・血尿
・排尿渋り
・排尿時の痛み
・発熱
・検査費
約2,1000~2,5000円
・注射
約5,400~13,500円
・手術
約50,000円
慢性腎臓病 ・飲水量の増加
・食欲不振、体重減少
・下痢
・嘔吐
・けいれん
・脱水
・尿の量が増える
・血液検査
約4,000円
・尿検査
約1,500円
・皮下輸液
約2,000~3,400円(1回)
・手術
約30万

年齢別の注意点

子猫期(0~1歳)

猫汎白血球減少症

猫パルボウィルスに感染することで発症する病気です。
病気にかかると腸に炎症が起こり、下痢、嘔吐、脱水症状などがみられるようになります。
重症化すると白血球が急に減少して、命にかかわることもあります。
成猫でもかかる病気ですが、子猫の場合は特に死亡率が高くなるので注意してください。
猫パルボウィルスは感染猫の糞便などに交じって排出されます。
非常に感染力が強く、しぶといウィルスで、人がウィルスの運び手になってしまう危険性もあります。
免疫が不安定な小さな子猫に接触するときは、十分に注意してください。
なお猫汎白血球減少症にはワクチンがあります。
確実に病気を予防したい人は、接種時期などについて動物病院に相談してみてください。

成猫期(1歳~7歳)

尿石症(尿路結石症)

三毛猫は比較的丈夫な猫といわれていますが、排尿関係のトラブルには注意が必要です。
尿石症は尿に含まれるミネラル成分が固まって結石になり、尿の流れを邪魔する病気です。
結石は構成成分によっていろいろな種類がありますが、猫に多いのはリン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストラバイト結石)です。
尿石症にかかると、排尿時に痛みを感じたり、血尿や頻尿、発熱などの症状が現れるようになります。
一番危険なのが、結石が尿路を完全にふさいでしまう尿道閉塞です。
この状態になると、排尿をすることが全くできなくなります。
体の不要物を外に出すための尿が体内に貯まると、血中の老廃物が増えてしまったり(尿毒症)、膀胱が破裂する危険性があります。
1日以上排尿の様子がなければ、すぐに病院に行ってください。

高齢猫期(7歳以上)

慢性腎臓病

腎臓病もまた、排尿に関わる器官にトラブルが発生する病気です。
腎臓の役割は体内の老廃物や毒素を取り除き、尿として外に排出できるようにすることです。
そんな腎臓の機能が低下するのが腎臓病です。
慢性腎臓病では数ヵ月から数年にわたって腎臓の機能が徐々に衰えていきます。
慢性腎臓病になると、たくさん水を飲むようになる、頻尿、体重減少、嘔吐、下痢などの様々な症状が現れます。
特に7歳以上の高齢猫が発症しやすく、死亡率も高い危険な病気です。
一度慢性腎臓病になれば、腎臓の機能を回復するすべはありません。
ただし、早期発見することで病気の進行を遅らせる処置を取ることができます。

保険の選び方

保険選びのポイント

三毛猫には様々な病気リスクが存在することが分かりました。
万が一、病気やケガをしてしまったとき必要な治療費を補償してくれるペット保険に加入しておくと安心ですね。
ペット保険には様々な種類があります。
補償内容の検討に加えて、ペット保険選びで重視したいポイントについてみてみましょう。

ペット保険の補償範囲外部分を確認する

ペット保険には補償の対象外となる部分がいくつかあります。
キーワードごとに見ていきましょう。
まずは、免責金額です。
免責金額とは飼い主が自分で負担する治療費のことです。
だいたい免責金額が大きい(自己負担が多い)プランほど保険料は安くなりますが、その分保険金が請求できないケースも多いです。
次に、保険の開始時期です。
人間の医療保険と同じく、ペット保険も加入後すぐに補償が開始されるわけではありません。
補償開始前に発症した病気は補償されないので、補償開始のタイミングをちゃんと確認しておきましょう。
最後に、補償外となる病気やケガの範囲です。
予防注射で予防できる疾患(猫汎白血球減少症はワクチンがあるため対象外になる可能性が高いです)や、自然災害によるもの、飼い主の過失や故意によるケガを補償対象外にし、保険金が請求できないようにしている会社は多いです。
中には治療費や発症率が高い病気が補償対象外になっているペット保険もあります。
ペット保険会社やプランを比較する際は補償の内容だけでなく、補償外の範囲も確認することが必要です。

年齢別の保険料を確認しよう

ペット保険は1回加入すればペットが生きている間ずっと払い続けるものです。
大きな負担のない範囲で保険料の支払いができるものを選びましょう。
ペット保険の多くは年齢とともに保険料が上がっていきます。
0歳で加入する場合と、7歳で加入する場合とでは保険料がかなり違います。
現段階では保険料が安くても、将来的に支払いができないほど保険料が膨らんでしまっては意味がありません。
各ペット保険会社のサイトには年齢・猫種別の保険料無料見積ツールや保険料一覧表が用意されています。
これらを上手に使って、ペット保険会社と各種プランの比較を行ってください。
また持病があったり、年齢が高すぎる場合は加入できないペット保険もあります。
できるだけ、年齢が若く健康なうちに加入を検討しておきましょう。

petofuku編集部

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