【インタビュー】川畑動物病院(神奈川県横須賀市)

動物病院特集

今回は神奈川県横須賀市の京浜急行「北久里浜」駅にある『川畑動物病院』さんにインタビューをさせていただきました。インタビューにご対応いただいた川畑院長はお父様の病院を継ぎ、いまでは多くのスタッフさんを抱えてらっしゃいます。横須賀市の中心となる動物病院で、現在規模拡大に伴い保護猫などに対する活動もされるご予定です。東京大学で4年間研修医をされた後、アメリカで半年間医療を学び30歳から働き始め、川畑動物病院を経営されています。経営の部分で多くの視点を持って取り組まれており、「横須賀市で全て完結できる」という動物病院を目指されています。(取材日:2022/04/07 現在は記載している情報と異なる場合がございます。)

『横須賀市の中心』となる動物病院

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ー川畑動物病院とはどのような病院なのでしょうか?

元々は父が開業した動物病院で、いまは私が引き継いで経営しております。
私は、アメリカで学んでいた時は医療の技術もそうですが、「経営」についても興味があり積極的に学んでいました。経営のシステムや価値など。
当時は尊敬する人もいませんでしたが、原点となるのは父でした。このような大きな病院を作り、回していたことが自分の中では心強い存在です。
一つのことで突っ走るというスタイルではなく、幅広く動物のためになることをしたいと思って活動しております。
それぞれの専門分野にも対応し、TNR(保護猫の不妊手術活動)などのボランティア活動にも積極的に取り組んでいます。
社会のためにもっと大きな力で影響を与えていくために、スタッフの教育や設備、動物に関わる事業の幅を広げて活動しております。

ー幅広い分野で活動されているのですね。

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そうですね。横須賀で全て完結できる様にすることが私の目標でもあります。
私個人的には、消化器外科、泌尿器外科、胸部外科などの軟部外科が得意ですが、当院としては世の中の8割の症例は対応できると自負しております。
また、飼い主様へのサービス向上や動物を思い活動する中で、動物病院スタッフの存在は重要になると考えております。
そのため、スタッフが長く勤められるような仕組みづくりをいち企業として整えています。担当するスタッフが頻繁に変わることは飼い主様や動物たちにとっても不安感を与えてしまうので。働きやすい環境を整えることで、結果飼い主様とペットたちにご満足いただけるのではないかと思い、心がけております。
また当院では専門医の先生に横須賀に来てもらって専門分野の診療も行なっておりますので、地域のみなさまには使いやすい動物病院なのではないかなと自負しております。
教育の部分でも、スタッフが長く勤めるのも必要ですが、次の職場でも活かせるようにしたいと思っております。長く勤めてくださるスタッフももちろんおりますが、次に夢を持つ人もいるし、結婚や家庭環境で職場が変わることもあるので、その時に活躍できるようにするのも仕事の一つと考えています。

ー診療の際に心がけていることはありますか?

当たり前のことかもしれませんが、飼い主様がどうしたいかや治療法の選択肢を増やすことに妥協をしないことです。
追求を止めず、希望する方法に沿った最適な治療計画を立ててご納得いただけるまでヒアリング、ご提案を繰り返します。
行う治療は獣医師側から見たどういう判断に基づくものかをしっかりと分かりやすくお伝えして治療法を選択していきます。

またスタッフを抱える私の勤めとしては、ひとりひとりのスタッフに責任を持たせることを心がけております。責任の所在がバラバラになることや、無責任な対応などを防ぐためにもチームごとや個人ベースで責任が持てる様に仕組みを作っております。
それが結果的に来ていただける方への私の責任だと思い、誠実に取り組んでいます。

ーお客様からはどのような声が多くありますか?

歴史がある動物病院ということもあり、ここで診てもらえば心配ないという安心感があると言っていただけることがあります。
幅広い専門分野にも対応していますので、こういっていただけることはとても嬉しく思います。
このようなお声を大切に、今後ももっと幅広く飼い主様や動物たちのサポートができるよう取り組んでいきます。
専門の先生などもいますので、難しい症例もこなせます。またCT、腹腔鏡のような設備投資もしています。そのような投資で技術的な安心もあるかと思います。ジェネラリストも何人かいますのでたくさんの意見や経験も同時にあります。技術的な安心感だけなく、英語を話せるスタッフもいるので外国人のお客様もいらっしゃいます。
なので当院では先生を指名制にしてひとりの飼い主様と長く付き合う先生という立ち位置で活動させていただいております。
今後もお客様からの声を頼りに、当院の改善に努めていければと思っていますので、さまざまなお声をいただけることに有り難く感じています。

ー今後の展望など最後にメッセージをお願いします。

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もっと多くの分野で飼い主様や動物たちに何かできないかなと常に考えております。
その中で今もやっているペットホテル業は規模を拡大し、設備やサービスなどを見直して大きく取り掛かろうと思っています。
近くの広い駐車場部分にまた新しく建物を立てて行っていく予定です。VIPルームの完備など、動物だから贅沢は必要ないという考えを失くし人間のホテルと同じ様なものも模索中です。
今後も幅広くやっていく中で、「トリミング」「ペットホテル」「ペットショップ系」「災害救助犬」「自衛隊関係」「TNR活動」「保護猫」などにももっと注力していきます。
輸血にも力を入れていて、写真のコリー犬(母親がブリーダー)が供血犬となってくれていて、常時3頭分の輸血ができるようにしています。供血犬も血液型が全て(ー)です。マイナスはプラスの犬にもマイナスの犬にも輸血できる貴重な血液型です。輸血に関して、貧血してしまう内科疾患(IMHAなど)、出血を伴う外科疾患に対して積極的に手術を行える一助となっています。こちらも当院にしかない強みとなっています。最近は他県からも輸血の依頼が来るようになってきています。

また当院で働いてくれる方の価値を上げることにもっとフォーカスして活動します。
ひとりの価値がもっと上がれば社会にもっと貢献できると思います。
利益だけを追求して活動するのは難しいとは思いますが、利益を出さないと社会に貢献できないと思います。
もっと多くの飼い主様や、全国の動物たちのためにも設備投資をしたりだとか、体制を整えるだとか、そういった社会のためを思うと動物病院として利益を出さないと行えません。
ですので、その面においても割とシビアに考えています。

【取材者から】インタビューをしてみて

今回インタビューにご対応いただいた川畑院長は、目の前の飼い主様や動物たちにどのような最善の治療法をご提案できるかだけではなく、動物病院経営としてどうすれば多くの分野で動物業界を良くすることができるかという広い視点で物事に取り組まれており、深く感銘を受けました。
横須賀市の中心となる動物病院として周辺のペットショップはほとんど提携されていたり、ボランティア活動に積極的であったりと動物を思う心強さをお話している中で強く感じました。
普通の企業のようにスタッフさんに対しての労働環境の整備や評価制度の確率、担当制の仕事などを数値化して可視化できるように行っているところなども、結果的に飼い主様や動物たちへのサービス向上、充実化に繋がっているというお話において、そこまで考えられて経営されている獣医師兼ビジネスマンのマインドは地域の方々にとってもとても頼り甲斐がある先生であると感じます。

病院情報

病院名 川畑動物病院
電話番号 046-834-2757
営業時間 午前 9:00ー12:00 / 午後14:00ー18:30
定休日 なし(水曜午後は予約制)
住所 〒239-0844 神奈川県横須賀市岩戸1丁目11−15
アクセス 電車でお越しの場合:京浜急行 「北久里浜」駅よりバス
北久里浜駅 (バス停) 北久13バスYRP野比駅行「岩戸」下車徒歩3分
お車でお越しの場合:横浜横須賀有料道路 佐原インターから約3分
駐車場 あり(26台)
診察対象動物 犬・ネコ・小動物
公式HP https://www.kawabata-vet.jp/

petofuku編集部

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