犬の僧帽弁閉鎖不全症はペット保険で補償対象?

イヌの病気・ケガ

僧帽弁閉鎖不全症は犬の心臓病のなかで最も発症率の高い病気です。
遺伝的な問題や、高齢に伴う心臓への負担によって引き起こされますが、初期症状が現れにくく、早い段階で発見するのが難しい病気でもあります。
治療は主に投薬を行いますが、症状が重い場合は手術をする場合もあり、治療費が高額になることも…。
そんな不安を解消してくれるのがペット保険です。
ペット保険は動物病院を受診した際に、治療費の一部(一般的に5~7割)を負担してくれるペット専用の保険のことです。
人間とは違い、ペットはペット保険に加入していないと治療費の全額を自己負担で支払わなければなりません。
初めて動物病院を受診した方の中には、治療費の高さに驚く方もいらっしゃいます。
そんな時にペット保険に加入していれば、治療費が補償されるため飼い主の負担額が少なく済むのです。
ペットに安心してしっかりとした治療を受けさせるためにも、僧帽弁閉鎖不全症に関する情報やペット保険の必要性についてご紹介していきます。

僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気?

犬の心臓は人間と同じつくりをしており、右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋で構成されています。
その中の左心房から左心室に血液が流れる際に、2枚の扉のような形をした「僧帽弁」の機能が悪くなることよって引き起こるのが僧帽弁閉鎖不全症です。
僧帽弁が機能しなくなると、本来一方向にしか流れない血液が逆流し、様々な症状を引き起こします。
初期の頃は症状が現れにくく早期発見が難しい病気です。

症状

僧帽弁閉鎖不全症の症状としては、喉に使えるような咳をしたり、激しい運動や興奮時に倒れたりするような症状がみられます。
初期段階では散歩の途中で座り込んだり、寝ている時間が長くなる程度で気づきにくいですが、もし、咳をするようになったり、運動を嫌がるような症状が現れたら、僧帽弁閉鎖不全症の可能性を疑いましょう。
また、さらに重症になると、肺水腫や呼吸困難、チアノーゼ(舌の色が紫色になる)などの症状を引き起こし、死に至る場合もあります。
症状がひどくなってくると手術が必要になってくる場合もあります。

原因

僧帽弁閉鎖不全症の原因としては、高齢に伴う心臓への負担が増えることや、先天的な問題で僧帽弁が変性することがあげられます。
また、日常生活で肥満や塩分の高い食事を与えていると心臓への負担が大きくなってしまうため注意が必要です。

僧帽弁閉鎖不全症の治療法・治療費

僧帽弁閉鎖不全症の治療について、その治療費や治療方法について以下にまとめてみました。
具体的な治療費は症状の重さや病院によって金額が異なるため、詳細な金額が気になる場合は直接病院に問い合わせしてください。
[一般的な治療モデル]

治療内容 降圧剤や利尿薬、強心剤などの投薬治療(定期的に通院)
通院1回あたりの治療費 3000円~8000円

僧帽弁閉鎖不全症は完治が難しい病気であり、主に症状を和らげたり、進行を遅らせることが治療の目的となります。
そのため、心臓の負担を減らすための降圧剤や利尿薬、心臓の収縮力を高めるための強心剤などの投薬治療が主体です。
一般的には1回の通院で約3000円~8000円の治療費がかかります。
症状が重く、手術や入院が必要な場合は一度に数万円の治療費が必要になる場合もあります。
ペット保険に加入していれば、5~7割は保険が負担をしてくれるので、飼い主としてはとても助かることでしょう。
万が一の時に、ペット保険はその力を発揮してくれます。
僧帽弁閉鎖不全症は高齢の犬が非常に引き起こしやすく、初期の頃は症状が現れず気づきにくい病気です。
また、一度かかってしまうと病歴が残り、後からペット保険に加入してもその病気は補償対象外になってしまったり、そもそも保険に加入できなくなってしまったりする場合もありますので、病気になる前からペット保険に加入することが重要です。

僧帽弁閉鎖不全症の予防法

僧帽弁閉鎖不全症の予防法として一番重要なのは「若い頃から心臓に負担をかけない」ことです。
そのためには、肥満にならないよう食事の量を調節したり、塩分の高い食べ物を摂りすぎないよう心がけましょう。
また、僧帽弁閉鎖不全症は早期発見ができれば、投薬治療で症状の進行を抑えることが可能なので、定期的に聴診などの健康診断を受けることが大切です。
普段の生活では、運動時の様子や舌の色などをこまめにチェックし、異常がみられたら速やかに動物病院に連れて行き診察を受けましょう。

僧帽弁閉鎖不全症はペット保険で補償されるか

ペット保険会社によって異なりますが、僧帽弁閉鎖不全症は補償対象となっている場合があります。
ですが、ペット保険会社または加入プランによっては補償対象外の場合もありますので、ペット保険の加入を検討される場合は必ずどの病気が補償対象かを確認してから加入することをお勧めします。
また、ペット保険は基本的には予防行為は保険の対象外となります。
例えば僧帽弁閉鎖不全症になっていない段階で、聴診を受けた場合は補償対象外となります。
さらに、既に僧帽弁閉鎖不全症になってからペット保険に加入しても、補償の対象にはなりません。
ペット保険は基本的には「ペット保険に加入してからの病気や怪我で、かつペット自身に症状が現れてから補償対象になる」と考えましょう。
そのため、ペット保険は病気になったり怪我をしたりする前に早めに加入することが重要です。
ペット保険が必要になってから加入し補償を受けるというのは基本的にできないので、加入を検討している場合には早めに手続きをするようにしましょう。

petofuku編集部

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