【インタビュー】ばぶどうぶつクリニック(東京都多摩市)

動物病院特集

今回は東京都多摩市の小田急多摩線「唐木田」駅にある『ばぶどうぶつクリニック』さんにインタビューをさせていただきました。インタビューにご対応いただいた弥冨院長は本当の意味での「飼い主様に寄り添う」というスタイルを重視しており、金銭面やライフスタイルに応じて希望の治療法などを一緒に模索してくださる先生でした。また地域のかかりつけ医としての立場で丁寧な診療とインフォームドコンセントをモットーに活動されていらっしゃいます。(取材日:2022/03/17 現在は記載している情報と異なる場合がございます。)

本当の意味での「飼い主様に寄り添う」動物病院

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ーばぶどうぶつクリニックとはどのような病院なのでしょうか?

当院は「話を聞くこと」をとにかく徹底しております。開業当初などは、「話を聞いてほしい」という飼い主様が割と多かったこともあります。いわゆる動物病院は、一般的に敷居が高いイメージがあり、もしペットが病気になって症状が出始めたとしても様子を見てしまって、手遅れとなってしまうケースがとても多いのが現状です。敷居が高いからこそ、すぐに飛び込めないなどの課題もあり、それらの敷居をいかに低くするかにこだわって活動しております。
人間の子供の場合は、子供の熱を測って熱があれば小児科に飛び込むことが一般的ですが、動物の場合は熱を測ることもできない飼い主様が少なくありません。症状としてはトイレの頻度がおかしいことや、食欲が全くないなど明らかに病気だと分かれば動物病院に出向きますが、そういう時は大体が症状が進んでいて手遅れだったりします。
飼い主様は人間ですので、動物が体調悪い時などには気付きづらいのは仕方がありません。

こういった風潮がある中でやはり、敷居を高くしないように「話を聞くこと」に徹しています。
その流れの中で、治療の方法などは提案しますが飼い主様にどうするかの決定は委ねています。ペットを飼っているのは飼い主様であり、そのライフスタイルや金銭面のことも理解していますので、飼い主様がどうしたいかをお聞きし決めてもらっています。
客観的に見たら、逃げのように思われるかもしれませんがお金を払うのは「飼い主様」であって我々獣医師ではありません。人間のように保険があるわけでもない(あるが主流ではない)ので治療費の額が想像以上に多くかかることだってあります。
なので当院では「よく話を聞き」、「飼い主様にどうするか決めてもらう」ということを大切しております。

ー診療の際に心がけていることはありますか?

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動物病院に訪れるケースには、病気が進行していて最期をどうするかを決めなければならないことも少なくありません。
最終的に飼い主様が治療法などを決めるのでそれに合わせて治療を行いますが、ただその時に動物たちは「絶対僕を治療してほしい」と思ってはいないと感じています。なのでもし、別れとなる場合に飼い主様が自分を責めてらっしゃった時などには、仕方のなかったことであり、飼い主様に責任がないことはお伝えしています。
突然死してしまうこともあり、病気に気付きづらい部分ももちろんありますので。

例えば糖尿病になってしまった場合、「インスリン打たないと危ないですよ」と強く勧める先生もいると思いますが、飼い主様を説得して治療を進めることは一方的な治療になってしまうと思います。なのでどのように進めたいかを飼い主様にお聞きし、それに合わせて治療を行うことを心がけています。

ー本当の意味での「寄り添う」ことだと感じました。

そうですね。治療には金銭も絡んでくるので、「やれることをやってあげたほうがいいと思う」というスタイルを大切にしています。
なのでそうなった場合のお話をしっかりしながら進めていき、私はいま22年この仕事をやっております。
動物たちのことを思えば、全部治療してあげたいと当然のように思っています。ですが、やはりそれは立場上難しいと思います。お金を出すのは飼い主様であり、ペット自身でもなければ私たち動物病院でもありません。
なので飼い主様に一番寄り添っていきたいと強く思っております。ペットが最新の医療を用いて最新の技術で治してほしいとは思っていないと思うので、そのことをお伝えすると気が楽になる場合もございます。

ーお客様からはどのような声が多くありますか?

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「飼い主様に決めてもらっている」というスタンスで活動しているため、その面でご満足いただけることが多いと感じています。
治したい気持ちはあるけれど、治すことだけが全てではないということをご理解いただけた時にペットにも飼い主様にも満足いただけていると思っています。
医者の立場からすれば、全て治してあげたい気持ちがありつつそういったお話をするので日々葛藤しています。
今後も飼い主様に対して本当の意味での寄り添う形を続けていければと思っております。

ー今後の展望など最後にメッセージをお願いします。

人間とペットの寿命は大きく違います。人間は80歳くらいまで生き動物は15年くらい生きるとしたら、5倍くらいのスピードで年をとっていきます。そこを簡単に捉えないでほしいと思っております。
家の中でペットに異常が見られ「5日間様子見る」としても人間で換算すると、「25日間様子を見る」ということになります。人間の普通では考えられない期間であることをペットにも当てはめて考えてほしいなと思っています。
なので少しでも変だなと思ったことがあれば、動物病院に出向くことが大切になってきます。そのためにも動物病院は敷居が高くあってはいけないと感じています。

【取材者から】インタビューをしてみて

今回インタビューにご対応いただいた弥冨院長は、獣医師でありながら飼い主側の目線まで降りて診療をしているように感じ、「本当の意味での寄り添う」ということを実感しました。
半ば一方的な治療の提案をする先生もいらっしゃる中、こちら側がどうしていきたいかを決めてそれに合わせて治療を行ってくださることは重要なことだと思います。
言われてやるより、いくつかの選択肢の中で自分でどうするかを決めることによって、それがうまくいこうがいかまいが最終的には納得できるものだと思います。
また、ペットに異常が見られても「少し様子を見よう」と思うことがいかに危険なことかが改めて理解できました。動物たちは我々人間の5倍のスピードで歳をとっていることに関しては分かってはいましたが深く理解ができていませんでした。
「5日間様子を見ること」は人間でいうと「25日間様子を見ること」に該当するという認識は全ての飼い主様にも意識してほしいと思います。

また弥冨院長が懸念されていた「動物病院の敷居の高さ」は、確かに感じてしまう部分も多く簡単には行けない場所という捉え方もありますが、まだ動物病院に出向いたことがないという方は慣れておくことも必要だと思います。

弥冨院長の診療スタイルは、こちら側にも負担もなく納得できる形で治療を進めることができるので、このような先生に診てもらうことが一番安心だと強く感じました。

病院情報

病院名 ばぶどうぶつクリニック
電話番号 042-339-2966
定休日 祝祭日・振替休日・日曜午後
住所 〒206-0036 東京都多摩市中沢2-20-5 ベルクレールタカムラ3 1F
アクセス 電車でお越しの場合:小田急多摩線 「唐木田」駅より徒歩約6分
駐車場 あり
診察対象動物 犬・ネコ・小動物
公式HP https://www.babu-ac.com/

petofuku編集部

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