胃腸炎はペット保険で補償対象?

イヌの病気・ケガ

胃腸炎ってどんな病気?

ペットが胃腸炎にかかると、嘔吐・下痢・食欲低下など人間の胃腸炎と同じような症状が現れます。
胃腸炎の症状が激しければ、脱水症状が起こり、命の危険にさらされることもあります。

症状

胃腸炎は胃から腸にかけての部位が炎症を起こす病気です。
犬猫の胃腸炎には、急性胃腸炎と慢性胃腸炎の2種類があります。
急性胃腸炎の場合、嘔吐・下痢・食欲低下などの症状が突然現れます。
吐しゃ物や排せつ物に血液が混じるパターンもあります。
水を飲んでもはいてしまうほど吐き気がひどい時もあり、症状が繰り返されると脱水状態に陥ります。
症状の重い急性胃腸炎は命にかかわるので、早急に動物病院に連れていきましょう。
なお、トイ・プードルなど小型の室内犬は出血性胃腸炎という急性の胃腸炎を起こしやすい傾向にあります。
出血性胃腸炎にかかると、急な嘔吐に続く血液が混ざった下痢、そして血液が失われたことによるショック状態が起こります。
出血性胃腸炎は治療をしても命を落とすことがある怖ろしい病気なので、特に注意が必要です。
慢性胃腸炎は、慢性的に胃腸が炎症を起こしている状態のことをいいます。
慢性胃腸炎になったペットは、嘔吐・下痢・食欲不振の症状を繰り返します。
食生活に支障が出るため、痩せて、元気がなくなっていきます。
猫は吐きやすい動物なので嘔吐の症状は見逃されがちですが、犬猫に関わらず、1日に5回以上吐いたら体の不調を疑いましょう。
特に幼いペットの場合は食欲低下で低血糖状態に陥ったり、脱水症状を起こしたりして、生命にかかわることがあります。

原因

胃腸炎の原因は、主に食べ物にあります。
腐った食べ物、普段とは違う食べ物、脂肪の多い食品などを食べた結果、胃腸が刺激され炎症を起こすのです。
いつも食べているペットフードでも食べすぎによって胃腸炎を発症することがあるので、食べ物のあげすぎには注意しましょう。
食べ物の他に薬物やペット用おもちゃの誤飲、ウィルスや細菌感染、寄生虫が原因で胃腸炎にかかることがあります。
人とともに暮らす犬、猫はゴミ箱をあさって寄生虫や細菌が繁殖している食べ残しを口にしやすい環境にあります。
また、人間にとっては普通の食べ物でも、ペットにとっては毒になってしまう製品があります。
人が食べるものをペットが簡単に口にできないよう管理することが大切です。
猫の場合、グルーミングの際に毛玉が消化管の中に貯まってしまう毛球症が原因になる場合もあります。
また、人間と同じようにペットにとってもストレスは胃腸の大敵です。
例えば、ペットホテルに預けられたなど普段と違う環境に置かれた時に胃腸炎の症状が現れることがあります。
なお出血性胃腸炎の場合は、犬の持つ免疫反応の異常が原因ではないかといわれています。

胃腸炎の治療法・治療費

胃腸炎の治療費や治療方法について以下にまとめてみました。
これは一般的な治療例ですが、実際の料金は動物の種類や症状の重さ、治療方法によって異なります。
具体的な数字が知りたい場合は、かかりつけの動物病院に問い合わせてみましょう。

[一般的な治療モデル]

治療内容 皮下注射、投薬、食事療法
治療費合計 約5000~20,000円

胃腸炎の治療は、症状や原因に合わせて行われます。
まずは胃腸炎の原因を調べることが治療方針に繋がります。
原因の特定には血液検査やX線検査、超音波検査などの検査が用いられます。
原因がすぐ見つかる場合もありますが、様々な検査をしないとどうして胃腸炎になっているのかわからない場合もあります。
嘔吐や下痢の症状に対しては、吐き気止めや整腸剤で処置を行います。
他、胃腸炎の原因が寄生虫の場合は、寄生虫の駆除薬を投与します。誤飲が原因の場合は、異物を除去する処置が必要です。
嘔吐が激しい時は、薬を口から摂取できないことが多いので皮下注射で投薬を行います。
また、嘔吐や下痢により脱水症状が激しい場合も、皮下注射・輸液で水分を補います。
皮下注射の処置を行う場合や、食欲不振が続く場合は通院が必要になります。
自宅では食事を胃腸の負担が少ないものに変えて、様子を見ます。
胃腸炎は犬猫ともにかかりやすい病気です。
胃腸炎の治療は原因によって様々で、総額どれぐらいの費用がかかるか心配ですね。
こんな時に心強いのがペット保険です。
プランの内容にもよりますが、ペット保険ではおおむね治療費の5~7割を負担してくれます。
ペット保険に加入していれば飼い主の出費をぐっと抑えることができます。

胃腸炎の予防法

胃腸炎の予防方法は、胃腸炎の原因になりそうなものをペットに食べさせない、ペットの口に入る場所に放置しないことです。
猫や犬のおもちゃの中には歯で噛んでで楽しむものも沢山ありますが、興奮したペットが飲み込んでしまう危険性は常に存在します。
遊ばせるときは飼い主がそばに付き添って誤飲の危険性がないようにしましょう。
遊び終わったら、必ずペットの手の届かない場所におもちゃを回収します。
万が一のことを考えて、飲み込んでしまっても安全な素材のおもちゃを買い与えるのがベストです。
人間が食べた物をしっかり始末することも大切です。
人間の食べ残しが入ったゴミにはペットが食べてはいけない食材が含まれていたり、腐って寄生虫や細菌が繁殖している可能性があるのです。
においに引き付けられてペットがゴミ袋を破いてしまうこともありますから、ゴミ箱をペットが触れない場所に設置したり、ごみをあさるのはいけないことだとしつけたりするようにしましょう。
部屋に観葉植物を飾っている場合は注意が必要です。
観葉植物の中には、ペットにとって毒性があるものもあります。
ペットを迎え入れる前に、観葉植物との相性は調べておきましょう。
場合によってはペットが食べられるものでも、胃腸炎の原因になります。
食べなれていないものを与える時は、すこしずつ食べさせて様子を見るようにします。
新しいペットフードへの切り替えも、少量ずつ行うことが大切です。
猫の場合は、度重なるグルーミングで飲み込んだ毛が体の中に貯まってしまう「毛球症」が胃腸炎の一因になりやすいです。
特に長毛種の猫を飼っている人は要注意です。
ブラッシング習慣を付けてこまめに被毛のケアをしたり、毛玉のケアができるキャットフードを与えたりして、毛球症を予防することが胃腸炎防止にもつながります。

また、ウィルスや寄生虫による胃腸炎予防には、定期的なワクチン接種や虫下しで事前に原因を取り除くことが有効です。
最後に、ペットがストレスを感じないような生活に配慮することは胃腸炎だけでなく、様々な病気の予防につながります。
普段から愛情深いコミュニケーションを心がけ、生活環境の急激な変化はできるだけ避けるようにしてください。

胃腸炎はペット保険で補償されるか

胃腸炎が補償対象になっているかどうかはペット保険によって変わります。
基本的には補償対象となっていることが多いですが、加入時は各ペット保険会社のサイトや約款ページをよく比較検討し、胃腸炎について補償されていることを確認しましょう。
よく分からない時は、保険会社の窓口に問い合わせてみると安心です。
ペット保険に加入するに際し、注意しておきたいことはペット保険の多くは健康食品、医薬部外品の料金をサポートしていないということです。
健康なペットの病気予防費用の場合も補償対象外です。
例えば動物病院で処方されていないサプリメントや医薬品指定の無い漢方薬の費用は飼い主が自分で支払わなければなりません。
また治療中の療法食であっても医薬品でない場合は、補償対象外になります。
加えて胃腸炎を発症してからあわててペット保険に加入しようとしても、保険金が支払われない場合がほとんどであることも覚えておきましょう。
補償可能となる期間は、保険会社によって様々です。
中には、保険料が払い込まれていない段階で発症した病気は補償対象外というものもあります。
ペット保険の基本は「ペット保険に加入してからの病気や怪我で、かつペット自身に症状が現れてから補償対象になる」というものです。
病気になったり怪我をしたりする前のほうが、ペット保険に加入するメリットが大きいのです。
保険金が必要になってから加入し、補償を受けるというのは基本的にできません。
もし現段階でペット保険への加入を検討している場合には、早めに手続きをするようにしましょう。

petofuku編集部

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