ペット保険は「椎間板ヘルニア」を補償してくれる?

イヌの病気・ケガ

「ペット保険には加入したいけれど、どの病気が補償されるか心配」と考えておられる方も多いのではないでしょうか。
特に通院や入院、手術が多くなりがちな「椎間板ヘルニア」は補償の対象にしてほしい病気の1つですよね。
この記事では、そんな椎間板ヘルニアの原因と予防法、そしてペット保険の対象になるのか、治療費はどれくらいかかるのかについても併せてご紹介します。

椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアと聞くと「名前は聞いたことあるけど、どんな病気か詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか。
ペットの中ではダックスフンドやコーギー、ペキニーズやビーグルなどの犬種に多い病気の1つです。
椎間板ヘルニアは椎間板という背骨と背骨の間でクッションの役割をしている組織が、何らかの原因で飛び出し、神経を圧迫することで様々な症状を引き起こします。
様々な症状を引き起こします。

  1. 四肢の麻痺
  2. 腰が立たない
  3. 排泄困難
  4. 歩きたがらない
  5. 背中などを触られると嫌がる
  6. ソファーなどに飛び上がる行為が出来なくなる、しなくなる等

症状が軽ければ「いつもより元気がないな」と感じる程度で、飼い主が中々椎間板ヘルニアに気がつかない場合もあります。
重症になると完全な四肢の麻痺や排便・排尿の困難が見られるようになることもあります。
最終的には呼吸困難などの症状を引き起こし、命に関わる事もある恐ろしい病気です。
できるだけ早く症状に気づき、治療を行うことで重症化を防ぐことができるため、気になる症状が出た場合は早めに動物病院に通院するようにしてください。

椎間板ヘルニアの原因

椎間板ヘルニアになる原因は大きく分けて2つになります。
主に過激な運動によるものと老化現象によるものです。原因を把握することで、椎間板ヘルニアになりやすい犬種は予防していくことも可能です。
できるだけ椎間板ヘルニアになるリスクは減らせるようにしていきましょう。

過激な運動によるもの

過激な運動を行うことで、脊髄に強い力が加わると椎間板が変成し、椎間板ヘルニアになる可能性があります。

老化現象によるもの

加齢により線維輪という椎間板の外側が変質し、亀裂が入ることがあります。その亀裂から髄核という組織が外に漏れることで、脊髄を圧迫し椎間板ヘルニアになる可能性があります。

椎間板ヘルニアの治療と治療費について

椎間板ヘルニアの原因は分かりましたが、それではどのように治療を行い、治療費はいくらくらいかかるのかご紹介します。

椎間板ヘルニアの治療はどのようなもの?

椎間板ヘルニアの治療法には内科的治療法と外科的治療法があります。

内科的治療法

内科的治療法は主に症状が軽い場合に行うことが多い治療方法です。
安静にして運動を制限し、消炎剤の投与やレーザー治療などによって治療を行います。

外科的治療法

外科的治療法は内科的治療で効果が見られなかった場合や、すでに重症化しており麻痺などの症状が見られる場合に行います。
外科手術によって症状が改善されたとしても、リハビリを必要とすることが多いです。

椎間板ヘルニアの治療費はどれくらいかかるのか?

椎間板ヘルニアの治療は内科的治療と外科的治療によって大きく治療費が異なります。
どちらも治療には時間がかかり、治療費は高額になる可能性が高いです。
それぞれの治療費はどれくらいかご紹介します。

【内科的治療】
基本診療費 約5000円
薬の処方(2~4週間) 1万円~3万円
レーザー治療 3万円~5万円
レントゲン、CT等検査費用 1万円~3万円
合計 5万円~12万円程度
【外科的治療】
基本診療費 約5000円
入院費(14日間) 10万円~15万円
検査費用 5万円~10万円
手術費用 15万円~20万円
薬の処方 1万円~3万円
合計 30万円~50万円

内科的治療は5万円~12万円、外科的治療は30万円~50万円程度かかります。
どちらも金額は高く、急に支払うのは難しいくらい高い治療費になります。
そんな時にペット保険に加入していれば、5割~7割は保険が負担をしてくれるので、飼い主にとってとても助かることでしょう。
万が一の時に、ペット保険はその力を発揮してくれます。

ペット保険に加入していた場合の治療費は?

もしペット保険に加入していれば内科的治療、外科的治療はいくらくらいになるか比較してみました。

内科的治療 外科的治療
【通常】
5万円~12万円

【保険適用(7割負担)】
1.5万円~3.6万円

【通常】
30万円~50万円

【保険適用(7割負担)】
9万円~15万円

比較表からもわかるように、ペット保険に加入していると自己負担額を大幅に減らすことが可能です。
病気になってからでは補償の対象外になってしまうので、早めに加入することを検討するようにしましょう。
また、病院によっても診療費は異なります。具体的な治療費については動物病院に確認し、治療法と併せて検討していくようにしてくださいね。

椎間板ヘルニアはペット保険の対象なの?

椎間板ヘルニアはペット保険の対象となる可能性が高い病気です。
ペット保険会社によって対象・対象外となる可能性がありますので、加入を検討しているペット保険会社の補償内容を確認するようにしましょう。
ただし、すでに椎間板ヘルニアの症状が出ている場合は、補償の対象外となる可能性があります。
椎間板ヘルニアは重症になると手術などが必要となり、治療費が高額になる可能性が高い病気です。
椎間板ヘルニアになった時、ペット保険が必要になっても、すでに症状が出ていると補償してもらうことができない場合があります。
ペット保険は病気の症状が出る前に、早めに加入することが重要です。
ペット保険が必要になってから加入することは難しいと考えて、できるだけ早めの加入を検討するようにしましょう。

椎間板ヘルニアの予防法

椎間板ヘルニアの予防には「腰への負担を避ける」「肥満にさせない」ということが重要です。
どちらも日常生活で注意出来ることばかりですので、できるだけ腰に負担がかかることがないように気をつけてあげてください。

腰への負担を避ける

椎間板ヘルニアは腰への負担によって発症する可能性が高い病気です。そのためソファーや会談などの段差の上り下りなどは避けるようにしましょう。
また、フローリングなどの滑りやすい床材は腰に負担がかかる可能性があります。
カーペットを敷くなどして対応するようにしましょう。また、ジャンプなどの過度な運動も避ける必要があります。

肥満にさせない

適正体重から外れてしまい、肥満になると、腰への負担が大きくなり椎間板ヘルニアになる可能性が高くなります。
適度な運動を取らせたり、必要以上に食べ物を与えたないよう気をつけたりして、肥満にならないようしっかり注意してあげるようにしましょう。

ペット保険は椎間板ヘルニアを補償してくれるの?まとめ

椎間板ヘルニアはペット保険の対象になる可能性が高い病気です。
椎間板ヘルニアが心配でペット保険に加入したい方のために加入する際のポイントをまとめてみました。

  1. 椎間板ヘルニアが補償対象か確認をする
  2. 病気の症状が出る前に早く加入をする
  3. 補償プランをどれにするか検討する

椎間板ヘルニアは治療費が高いため、ペット保険に加入していない方は治療を断念することさえあります。
長期間の通院が必要な病気ですので、ペット保険に加入していればよかったと後悔される方も中にはいらっしゃいます。
そんな風に後悔することがないよう、椎間板ヘルニアの症状が出る前にペット保険には加入するようにしましょう。
また、補償プランによっても補償される金額が大きく異なります。
補償が手厚くなればその分保険料は高くなりますが、万が一の時に負担する額は大きく減らすことができますので、どちらを優先させたいかよく検討して下さいね。
椎間板ヘルニアは治療に時間がかかりますが、日常生活で予防することができる病気でもあります。
ペットの健康のために予防と対策はしっかりと行っていけるといいですね。

petofuku編集部

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